地域賞「瀬戸本業窯(瀬戸焼の制作・伝承)」 第41回 伝統文化ポーラ賞受賞

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18 ngày trước
第41回 伝統文化ポーラ賞 地域賞(愛知県) 受賞者紹介動画


〈 瀬戸本業窯の来歴 〉
瀬戸洞町(ほらまち)において約250 年にわたり本業焼の伝統を受け継ぐ。六代水野半次郎の時代に民藝運動の指導者である柳宗悦をはじめ濱田庄司、バーナード・リーチらとの親交を持ち、瀬戸焼の「本業窯」として民藝の世界でも広く知られるようになった。現在は七代水野半次郎と八代後継の水野雄介が轆轤師・絵付師らとともに、むかしながらの分業制を守りながら作品を生み出している。


“ 家族を結び、愛情をはぐくむ器 ”
約250 年にわたり「本業焼」の伝統を受け継ぐ瀬戸本業窯は、人々の生活に恵みをもたらす、どこまでも健やかな器を生み続ける。この健やかさの根幹を成すのは、むかしながらの分業制によって極められた職人たちのワザ。積み上げられた技術が結晶となり、数々の優れた作品がつくり出されてきた。
一つ一つの制作工程において、職人は魂を宿らせる。その魂とは、器に込められた愛情である。分業による仕事は量産を可能にしながらも、決して画一的なものにはならず、瀬戸本業窯の器は、手の温もりと味わいに溢れている。
「家族が愛し合い思い合うことで、良い作品が生まれる」という七代水野半次郎の信念のもと、職人たちは強い結びつきを持ちながら陶器づくりに勤しむ。先代である六代半次郎が柳宗悦をはじめ民藝運動の作家たちと親交を持って以来、本業窯には民藝の心が根付いている。「器は一家の者たちである。否、器なき所に吾が家はない。器を愛する者は家に帰ることを好む。器はよき家庭を結ぶ」(柳宗悦『工藝の道』 講談社文庫、2005 年)。人が器をつくり、人が器を用いる。器に対し、家族と同じ愛情を持って接することが、良き作品に実を結んでいる。
瀬戸本業窯には、その作品と理念に共感し門を叩いた女性職人たちがいる。彼女たちは分業のなかで技術を磨き、作家として制作活動を行うこともある。職人は、器への愛情をともにする家族。家族の深い愛情が新たな女性職人の誕生を後押しし、本業の伝統を次の世代へ引き継ぐことにもつながっている。



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